[No.005] Dalia Carella Workshop at Rakkasah West 2008
Rakkasah Westと言えば、アメリカ全土、はたまた海外からも招聘されるRakkasah Teacher達によるワークショップが目玉だ。今回はその中から、日曜日に行われたダリア・カレラのワークショップの模様をお届けする。
ダリア・カレラは中東舞踊の分野で、コンテンポラリーかつ伝統的なスタイルで振付師、舞踊家として活躍している。彼女は、ジャズ・バレエ・フラメンコ・インド舞踊・アフリカンダンス・サンバ・サルサ...など様々な舞踊に親しみ、1985年にフラメンコ・インド舞踊などを融合した「Dunyavi(ドゥンヤヴィ)ジプシー(ロマ)ダンス」を編み出したことでも知られ、ジプシーダンスのカリスマともいえる存在である。「Dunyavi」とは「世界」という意味のヒンドゥ語で、スペイン・インド・トルコ・北アフリカ舞踊のフィールドワークをルーツとした、ダリア・カレラ独特のダンススタイルだ。その後、中東・アンダルシア・ラテンの影響を深く掘り下げた、第2のDunyaviスタイルとも言うべき「El Mundo(スペイン語で世界の意)」を創り出し、現在もフィールドワークを続けている。
Dalia Carella Workshop @ Rakkasah West 2008(Mar.15)
ワークショップは、土曜日の朝9:00 ~ 10:30までの1時間半、ラッカーサ公認ホテルであるCourtyard by Mariott Hotelの30畳程の1室で行われ、30~40名程が参加した。驚くことに、約3分の1が日本からの参加者で、彼女の日本での人気の高さが伺える。ウェーブの黒髪をなびかせながら颯爽と表れたダリアは、大きな瞳とスラリとした肢体が印象的だ。
「まず始めに」と彼女が語ったのは、踊る上での「基本」について。「私は、色々なスタイルを取り入れているけど、その基本にあるのは、“オリエンタル”スタイルであることを忘れないでいてください。」様々な舞踊の要素を取り入れ、ベリーダンスの枠を超えた現代ジプシー舞踊とも言える彼女のスタイルだが、それを追い求めることで“オリエンタル”スタイルを軽視してはいけない、という彼女の想いに賛同した参加者達も多かったのではないだろうか。
「コンテンポラリーベリーダンス-情熱・ドラマ・激しさ」というテーマの今回のワークショップでは、「Bellydance Superstars vol. 3」のアルバムから「Tribal Dream」を使用し、ジャズの要素の色濃いコンテンポラリーな振付をメインに進められた。ゆったりと音楽に合わせ十分にストレッチをした後、ダリア・カレラによる模範演技。彼女の踊りが空気を変え、その瞬間を目の当たりにした参加者達からは溜息が漏れた。振付の詳細を追い、曲に合わせて振付を確認しながら進められたワークショップ。振付の最初のフットワークは、“歩く”という動作に「動」と「静」を加えることで、流れを作り出す序章部分。シュミをしながら手で半円を描き、ステップを加えながら徐々に全身を使った動きに転化していく。この過程で、1つ1つの動きの中に、彼女の“情熱”が盛り込まれる様を目の当たりにすることが出来る。
ジプシーの日常生活のささいな動作を、舞台芸術へと昇華させた彼女のスタイルは、
「頭のてっぺんから爪先まで全身を使うこと」
「力を入れる部分と抜く部分のメリハリをつけること」
「どんなささいな動きも無駄にしないこと」
「それぞれの動きの中にある感情を読み取ること」など
テクニカルな動きにとらわれがちな私たちに、多くのことを気付かせてくれる。「ワークショップに参加するということは、その人のエッセンスを学ぶということ。」
いつか聞いた恩師の言葉を思い出す。
それぞれのダンサーが時間を掛けて作り上げてきた踊りの結晶を、短い時間で全て学び取ることは出来ないけれども、その小さな結晶が、ダンサーの今後を秘めている可能性だってあるはず。踊りの幅を広げたい、自分の踊りに限界を感じている、そんな方は、様々なワークショップに参加してみてはいかがだろうか。
Reported by CORE.