[No.007] Kiki
インタビュー第6弾は、東京でご活躍中のベリーダンサーKiki(キキ)さんです。
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NAME – Kiki
AS A TEACHER –Since 2003
LOCATION – Tokyo, Japan
STYLE – Oriental and Gypsy Fusion Style
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-独立されたきっかけを教えてください。
自分の教室を開こうという意図はもともとなかったんですが・・・仕事が忙しくて、通っていたスタジオのレッスンになかなかいけない時期がありました。それでも先生の許可のもとレストランなどで踊っていたのですが、やはり仕事のスケジュール上、スタジオの発表会やイベントに関わることができないことも多かったので、フリーになって自分のペースで踊りを続けようかなと思い始めたのがきっかけとなりました。仕事も続けたかったですし。それで先生にその旨を告げて4年間の修行から一転、1人で動くようになったんです。また、海外でベリーダンスを学びたいこと・生演奏で仕事をしていきたいということ、2つの夢もありました。そうするとそのうち、「教えたりしてるんですか?」という質問を受けるようになり、希望者には自宅で教えるようになったのが口コミで増えていったという感じです。ベリーダンスの歴史や知識などをあらためて勉強しました。教える事は仕事で慣れていたので、自分のなかでは自然に移行できたように思います。一つ一つ理論立てながらも感性をお教えするところが、似ていたからでしょうか。結局、生徒さんに後押しされる感じでレッスンを開くようになったんです。もともと講師という仕事が好きだったのが幸いだったとも思います。現在は、ベリーダンスの素晴らしさ、楽しさをお伝えして純粋に楽しんでもらいたいという気持ちと、公のパフォーマンスをしっかり出来る生徒さんを育てたいという気持ち両方があります。
-HPに“新しい生徒さんは募集してない”と記載されてますが、少人数制へのこだわりや理由は何ですか?
今の自分のスタンスでは、『パフォーマンス』ということに重点を置いてしっかりと教えていきたいし、自分が授業をする際に快適に思えるスタジオの広さがあるので、その中で対応できる人数でレッスンを開催しています。現状、直系の生徒さんは30人くらいです。また、ワークショップ(通称KIKI塾)を開催していて、1回のみ参加の方も合わせると塾生さんは東京・他県で300人位いらっしゃいます。日本では生演奏で踊ってコラボする歴史が浅いけれど、個人的に私はお客さんと一体になって踊るのが好きなんです。もちろん大きな舞台で踊る芸術性もあるけれど、お客さんと身近な距離で踊る中に、ベリーダンス本来の良さもあると思うので。それを今、自分はやりたい時期なんですね。そのためレッスンも少人数制で対応させて頂いてます。何でも噛み砕いて教えていくというよりは、生徒さんからの主張に応えていくことが多いかもしれません。例えば、レッスン中にかけた曲について質問をうけたら細かく応えるようにするなど。
レッスンに関しては、やっぱり教える立場にそれぞれ異なる想いがあるように、生徒さんがレッスンやスタジオに望んでいるものもそれぞれ違うと思うんです。だから、どこに焦点を置いてアプローチすればいいかを考えたりもするのですが、私はダンサーとしてのマインドにも重点を置きたいんです。ダンスを通して出来るご縁があったり、人とのコミュニケーションがあったり、そういった踊り以外の点においても、ダンサーとしてどうあるべきか・自分はどうありたいかをお伝えしていきたいと思っています。
ただ、スタジオ選びについては、やはり自分の目的にあった所を探すのが一番だと思います。目的とそぐわなかったり、もしくは、しばらく在籍するなかで不満が出始めると、それがきっかけでベリーダンスも嫌いになってしまう方もいるでしょう?それはすごく勿体無いと思うので、私のところに体験に来た人にも、「すぐに決めなくて良いよ」といってます。
-独立されたきっかけともなった仕事について。今も両立されてるのでしょうか?
独立してから1年程は、以前の仕事と両立していました。ベリーダンスを教え始めて間もなく「ちゃんとプログラムを組み立てていかないと」と感じ始めたときに、10年続けた仕事をきっぱり辞めたんです。あれ程仕事を続けたいと思っていたのに、未練も無く(笑)。きっと、自分の中でそういう変化のあるときだったのでしょうね。
-ちなみに、当時されていたお仕事について、少々詳しく教えていただけますか?
ヘア・メイクアーティストで、主にウェディングでの現場が多かったです。その他にいろいろな学校から呼んで頂いて講師をしたり、ブライダルショーなどに出演していたので、各地をまわる事が多かったです。考えてみると、今も似ていますね(笑)。
-だからメイクもお上手なんですね。実は、Rakkasahでのインタビュー時に拝見して綺麗なメイクだなと思っていたんです。
ありがとうございます。理論とかテクニックとかを知っている分、メイクは得意かも知れません。でも案外、自分にメイクをするのは難しいんですよ。他人のことは良く解るけど、自分のこととなると、どこをどうすればよいか意外と解らなかったり気づかなかったりします。でもベリーダスのメイクは、KIKIになるためのメイクだから、他人にするような気持ちと一緒かな。
-『Kikiになるため』というとこ、掘り下げて聞かせていただけますか?
基本的にどのダンスもそうかも知れませんが、ベリーダンスは踊りをみるという他に"その人を見る"というところがあると思うんです。例えば、そのダンサーの心や、表現に触れたいからパフォーマンスを観るというところがあると。私は、自分を飾ったり演出したりするのは、実は得意ではないんです。でもWebなどに情報を載せてる以上、1つのアイコンとなっていると思うんですよね。例えば、アンスーヤにはアンスーヤのワールドというものがあるし、見ている側が受け取るイメージがあるというか・・・。だから、"KIKI"は私であって私だけではないところがあると思います。そういう意味で、メイクをして衣装を身につけることで、KIKIになっていく感じがあるんです。私の踊りを観てくれる人には、「KIKIさんはよく赤い衣装を着ている」と言われます。実際はそういう訳ではないんでけど、そういうイメージが強いみたいです。また、以前パフォーマンスを見に来てくれたお客様で、頭にお花をつけていた方がいらしたんですね。休憩の合間にお話する機会があって、よくよく聞いたら私の真似をして下さっていたんです(笑)。自分では意識していなかったけど、KIKIには髪に花をつけているイメージもあるみたいですね。-私もKikiさんには赤の衣装のイメージがありますね。そういえば、Rakkasahの時、衣装のスリット部分に華をつけてましたよね?確か先日のMichelle JoyceのPartyの時も?
確かにそうですね(笑)。お花は好きなアイテムの1つです。つけると全体が引き締まるんですよね。
-ではほかに、ベリーダンス関連で、最近はまっていることはありますか?
仕事の7~8割はオリエンタルダンスで、自分のスタンダードなんですが、ギターのジプシー音楽でで踊るのも好きです。ここ近年、ジプシー・フュージョン・スタイルの一環で、ジプシー・ルンバという音楽に取り組んでいるんです。その昔、スペインから南フランスに亡命してきたジプシーの人達が奏でる、アラブの匂いが残ったフラメンコに似た素敵な音楽があるんですよ。そこには踊り子の姿は無く、ギター弾きの男性6-7人ばかりが集まって演奏しているんですけどね(笑)。で、そのジプシー・ルンバを唯一日本でやっているグループがいて、その方たちとアラブ音楽とスペイン音楽の接点をやってみようということで始めました。こういったフュージョンを行うという意味では、やはりダリア・カレラは早かったなぁと思います。もう20-30年前に、そういったことに取り組まれていたんですからね。春のRakkasahで彼女を見たとき、6年前よりも綺麗になっていたので驚きました。彼女は常に私のベリーダンス人生に大きな影響を与え続けてくれます。
-では、ベリーダンスをそもそも始めたきっかけを教えてください。
10年前に始めました。仕事の現場のパーティでプロの方が生演奏でフラメンコを踊ってらっしゃったんです。目前でその踊りをみていたら、近距離で見れる踊りが素敵だなと思いました。同時期に、レンタル・ビデオ屋さんでたまたま借りたアラビアン・ナイトの千夜一夜のビデオがあるのですが、その冒頭でベリーダンスを踊っている場面があったんです。そこに自分の好きな音楽とかいろんなものが全て詰まっていて、それで、生演奏で踊るベリーダンスをやりたいなと思い始めたのがきっかけです。その後いろいろと調べて、体験レッスンにも数箇所行き、マハ先生に巡りあったんです。結局アルカラマーニに入るまで2年かかりました。仕事も忙しかったという理由もありますが。マハ先生のところに通い始めてからは、いろいろなところでパフォーマンスする機会をたくさん与えていただきました。
-初めて2-3年ですよね?
そうです。今思えば早かったなとも思いますが、一生懸命レッスンに通いましたよ。仕事が忙しくても週に2、3回。まだ上級にあがれないけど、初級のクラスは全部出てとか。でも、モチベーションを高くもちつづけられたのも、よい同期がいたからです。結構そうそうたるメンバーなんですよ。
-「同期」とおっしゃる中で、現在もご活躍されている方はどなたになりますか?
恩師でもあるタカダアキコさん、同期ではレイラちゃん、アギーちゃん、イーチャン、ミラちゃん、横浜のルカちゃん、千葉のサフィちゃん、などが活躍してます。
-ベリーダンス以前に習っていたダンスはありますか?
母が日舞の師範だったので、小さい頃に3-4年ほど日舞を習っていました。ただ日舞では、ダンスの基盤ができたというよりも、身体と意識の姿勢をすごく叩き込まれたと思います。
-パフォーマンス時の緊張は今でもありますか?
武者震い的な緊張はあります。でも最近、ミュージシャンと一緒にショーをすることが多いので、緊張よりも安心感があります。一緒にその空間を作る仲間がいるという意味で、たった一人でステージにでていくときとは全く違ったものがありますからね。
-では、ベリーダンサーとしての日々のスケジュールを教えてください。
月曜日はリセットする日と決めているので、ベリーダンス関連の予定はいれません。金・土は、たいていショーが入っています。日曜日は最高で3クラス教える日がありますが、その他はカンパニーの仕事です。火・水・木はレッスンと、あとステージに立つための諸々の連絡とか、自分の練習とか、衣裳のメンテナンスとか、表に出ない部分での仕事をしています。基本、スケジュールはかちかちに埋めないで、余裕を持つようにしているんです。その方がいろいろなことに対応できるし、なにより何ヶ月も先まで予定をたてるとかが苦手・・・。いいプレッシャーになるんですが、こなしていかなくちゃ・・・と苦しくなってしまうんです。そういう時に限って、良いアイディアがでたり、良いお話をいただいりして・・・でもスケジュールがぎっしり埋まっていると余裕をもって対応できなくなるでしょう?だから、自分のペースを保ちながらスケジューリングしています。
-ベリーダンスにとって大切だと思う点は何ですか?
7月と10月に別々の会社からベリーダンスDVDを出していただきました。7月のDVDは本も一緒に販売されるんですが、その本のなかで同じ事を語る機会があって、結局なんだろうと自分でも考えたんですけど。
素晴らしい遺産であるアラブの楽曲、ジプシーたちの魂を語り継ぐ音楽。結局、私にとっては音楽とのコミュニケーションです。友情だったり、恋愛だったり、いろいろなものが表現されている場所。いい音楽があったら、どんな場所でも衣装が無くてもステージです。
そしてダンサーは体自体が楽器であるという観点も大事にしています。結局、始めるきっかけともなった、フラメンコを見たときの目前で繰り広げられる音楽と踊りとの迫力。それがわたしにとっての原点だったんだなぁと思います。音楽が無くても人は生きていけるけど、でも音楽って人の心を豊かにしてくれますよね。
-では最後に、ベリーダンスを習うみんなへメッセージをお願いします。
焦らずに楽しみながら習うことが一番。ベリーダンスに出逢ったということがそもそもラッキーなことだと思うので、そこを大切にして欲しいです。また、1人の先生のそばについて、その先生の踊りに対するマインドやハートに触れて一定の長い期間教わることが大切だと思うので、フィーリングの合う先生に出会って欲しいなと思います。それがご縁で出会った仲間たちともいい時間を重ねて、異国の音楽と踊りに関わることは、人生の大きなギフトではないでしょうか。
インタビュー後記![]()
Rakkasah West 2008で初めてお会いしたKiKiさん。舞台上でパフォーマンスをする彼女は、その華奢な体躯を全く感じさせないほどの迫力と美しさとで会場を沸かせていました。
今回インタビューをさせて頂いて改めて感じたのは、「KiKiさんって芸術家」ということ。実際にお話していると、彼女のベリーダンスに馳せる想いや考えが、ずっしりと伝わってくる反面、まるでおとぎ話を聞いているかのようにフワフワとどこか掴みようがない感覚に陥ります。 それはやはり、“音楽”を通じ、感じるままに感情を表現することのできる芸術家だからなのではないかと思いました。その独特の感性に触れてみるには、彼女のパフォーマンスを見るだけでは足りず、KiKiワールドへ浸かるべく、実際に彼女の考えに触れ、教えを請うことかも知れません。今後の更なるご活躍を陰ながら応援してます。
インタビュー収録:June 2008